これまでも、これからも、、、

いつもご愛読ありがとうございます。皆様のおかげで4年間にわたり綴ってきた『南半球から通信』も今回で最終回となります。南オーストラリア州アデレードのステキな住宅、こちらでの生活事情など少しはお役に立てる情報を発信できたでしょうか。


ところで個人的に振り返ってみれば、来年2015年で私のアデレード滞在は10年めを向かえます。2005年に専門学校過程への1年間の留学としてアデレードに来たのが始めてでした。その頃は見るもの聞くことも全て新鮮で、いろんなことにも「なるほど、これがオーストラリア流なのか」と驚いたり、感心したりしていました。英語学校には通っていたものの、学校から1歩外に出てみれば、バスの運転手さんの言っていることすら聞き取れないというような状態でした。


それがオーストラリア人の夫とマウンテンバイクという趣味の分野で知り合い、そして結婚、永住につながるとは全く想像もつかなかったことで、そう考えると縁とはつくづく不思議なものだと感じます。



不思議といえばその2005年の終わり、ちょうどクリスマスホリデー中のある朝にサイクリング仲間たちと夫の家に集合したのが初めての出会いでしたが、そのときのことは鮮明に覚えています。ガラッとガレージを開けた途端、スッーと新鮮な空気に包まれ、ひどくその土地に歓迎されているような感覚があったのです。その感覚自体のほうがはるかに強烈で、肝心の夫の第一印象はあまり覚えていないというのがちょっと残念。でもその家が今家族と住んでいる家、これからもずっと住むであろう家なのです。


写真1:我が家のクリスマスツリーも夏仕様。クリスマスプレゼントはツリーの下にずらっと並べるのがオーストラリア流です。



オーストラリアでの“家”と私との出会いは、まさにそんな感じでした。人生の基盤となり、大半を過ごす“家”、どんな家を選ぶか、どんなふうに家を選ぶかは人さまざまなのでしょうが、理屈や論理を越えた大きななにかが左右するようなことがあると思います。そう考えてみると、住宅との縁というのは本当に不思議なものだという気がします。

写真2:2歳の息子とワラビー(小型のカンガルー)、こんな風に動物と触れ合えるのもオーストラリアならではの良さです。



その家に守られて、2012年息子が生まれ、さらに来年私たちは新しい家族を迎えようとしています。
新しく生まれてくる子どももこの家でどんなふうに成長してゆくのか、とても楽しみです。


これまで4年間の長きにわたり、お付き合いありがとうございました。
これからも皆さまがそれぞれの“家”で、明るく楽しい暮らしを送ってゆかれることを心よりお祈りしています。
メリークリスマス&よいお年を!

南半球より愛をこめて。。。


写真3:(おまけ)めずらしいアルビノ(白い)のワラビー、そしてお腹から顔を出している赤ちゃんは茶色く普通のようです。


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もうすぐ今年も終わり、ご紹介したいのはやっぱりアデレードらしい住宅です!

もう12月も半ば、南オーストラリア州アデレードは気温も20度台の過ごしやすい日々が続き、例年とは打って変わって涼しい夏となっています。こんな1年の終わりにご紹介したいのはやはり、“これぞアデレード!”と思える白いサンドストーンが美しい伝統住宅です。

もし日本からお客さんが来て、「アデレード散策を楽しむには、どのあたりを歩いたらいいですか」と聞かれたら、迷わずにおすすめしたいのがノース・アデレード。市街中心部の北側にある古くからの高級住宅街エリアです。アデレードという都市がつくられた19世紀半ばごろから、アデレード創設に大きく貢献した地元の名士たちが住んでいた古い住宅がよく保存されており、ヨーロッパ風のエレガントな街並みが特徴的なのです。そのノース・アデレードにあるのが今日ご紹介したい住宅、1890年建築というすでにその存在自体が歴史のような建物です。

写真1:ヴェランダ・ヴィラと言われる様式で、右側には大きなベイウィンドウがあります。

写真を見ると白い煙突が2本ありますが、これはいまだ現役の暖炉につながっているものです。本物の暖炉がある暮らしとはなかなか素敵だと思いませんか?ただし、アデレードでも古い煙突にたまった煤に燃えかすが移り、大きな火事になるというニュースをたまに聞くことがあります。奥が見えにくいのですが火の扱いはやはりどんなところでも気をつけましょう。



写真2:リビングから続くバルコニーにもダイニングテーブルがあってホームパーティーに使えそう。アデレードのクリスマスは真夏なので、こんなバルコニーでのクリスマスパーティーも人気のスタイルです。


そしてアデレードの住宅で見過ごせないのが、“アウトドア・エンターティメント”と呼ばれる、半屋外のようなエリアの活用法。たいてい大きなダイニングテーブルセットが置いてあり、自宅でのバーベキューパーティなど行われます。



写真3:まるでホテルのような書斎ルーム、自宅にこんな空間があったら羨ましいですね。


古い住宅なので、もちろんインテリアもそれにマッチしたものになっています。これは暖炉の両側の壁に備え付けの本棚が設けられた書斎です。ナチュラルカラーのストライプ模様の壁紙に、ギンガムチェックのチェアカバーがアクセントとして映えます。こんな部屋が自宅にあったら、優雅な気分で過ごせるような気がしませんか?


私はこうした素敵なお家を拝見するたびに、“ああ、こんな家に住んだら”と妄想を始めるのですが、すぐに夫が「掃除が大変だよ」という一言で現実に引き戻されます。でも、日々の生活の舞台となる住宅、豪邸というわけではなくても気分が盛り上がるような明るくて、居心地のよい空間であってほしいと思いますよね。


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オーストリアの“サファリパーク”はとってもワイルド!!

皆さん、オーストラリアといえば”コアラとカンガルーの国”というイメージが強いのではないでしょうか。たしかにその通りなのですが、決してそればかりではありません。私の住む南オーストラリア州アデレードから車でおよそ1時間ほど行った近郊には、”モナルト動物園”という広大なサファリパークがあるのです。以前から気になっていたのですが、なかなか行く機会がなかったこの動物園、クリスマスシーズンで混雑が予想される前に、家族で行ってきました。

写真1:園内はこのような大型バスで回り、3か所降りられるポイントがあります。


広大な敷地は10k㎡もあり、入口のゲートから園内周遊バスの発着点となるビジターセンターまで4キロもあります。ここに行くにはバスも電車ももちろんないので、自家用車、あるいは観光用バスで行く必要があります。お客さんたちはビジターセンターの近くに自家用車を止め、あとは周遊バスでサファリパークを回ることになります。


バスにはボランティアのガイドさんが添乗し、バスから見える様々な解説をしてくれます。アメリカバイソン、シマウマ、サイ、キリン、チーター、そしてライオンなどが、それぞれのブロックでのんびりと過ごしています。想像以上に大きなバスですが、動物たちはとくに怖がったりする様子もなく、かなり近くで見ることができ、子どもも大喜びでした。


各ブロックをゆっくり回って10分ほどすると、なんと”バス停”が。。私は一つのバスにずっと乗りっぱなしだと思っていたのですが、園内には3か所こうしたバス停があり、その都度、外に降りて遊歩道になっている道を歩いたり、展望台デッキから動物たちを見れるようになっているのです。広い大地で悠然と歩くキリン、まるでアフリカにいるような光景そのもので感動的でした。

写真2:展望デッキからキリンを眺めます。キリンと並ぶと大型バスが大きく見えないのですから不思議です。


ちなみに園内マップを見ると、園内をぐるっと歩けるウォーキングトラックまであり、ただバスで回るだけでなく、自分たちの足で歩きながら動物たちを見れるようにもなっていることに気づきました。これをずっと回るだけでもかなりの運動量となりそうですが、さすがアウトドア大国のオーストラリアです。もちろん、動物たちに襲われるようなことはないのでご安心を。


もともとオーストラリアの大地が乾燥しているため、アフリカのサバンナに住む動物たちにとっては過ごしやすい環境なのでしょう。ここでは動物たちもストレスが少なく過ごせるため、希少な動物たちの繁殖にも成功しやすく、ここで生まれた動物の赤ちゃんが各地の動物園に送られたりするそうです。



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クリスマス間近のアデレードはとってもいい季節です!

日本では師走に入り、皆さん慌ただしくお過ごしのことと思いますが、南オーストラリア州アデレードは、“もうすぐクリスマスホリデーだ!”と言わんばかりに、みんなのんびりモード。年末までに仕事を何とか終わらせようとする日本人に比べ、オーストラリア人は“クリスマスももうすぐだから、仕事もスローダウンしよう”というマインドのようです。例年だと12月にもなれば気温も30度を超える日が多いのですが、今年は20度台中心と過ごしやすい日々で、ビーチに行ったり海水浴にはまだ肌寒いくらいです。


写真1:公園で結婚式を挙げる人たちも。緑がとてもきれいな時期です。

また10月から12月にかけては初夏ということもあり、ウェディングシーズンのピークでもあります。教会で、公園で、ビーチで、自然公園で、あるいは自宅で、法的に認められた“セレブラント”と呼ばれる式執行者が立ち会えば、自分たちが最も思い入れのある場所で式を挙げられるのが、自由なオーストラリアのウェディング。クリスマス直前になると、旅行などに出かけてしまう人も多いので、今の時期は年末駆け込み的にウェディングも急増のようです。


写真2:中心街のアーケードもヨーロピアンなクリスマスっぽく飾られ、素敵な感じに。

そしてクリスマス商戦もますます活発化してきました。クリスマスが一年最大のイベントで、日本のお正月のように親戚一同が集まる機会でもあるオーストラリアでは、そういった親戚たちにもプレゼントを用意するのが習わしです。なのでその数も膨大なものに。。。誰になにを贈るかはやはり悩みのタネとなるようで、クリスマスショッピングがストレスの原因になっているという話もよく聞きます。せっかくのクリスマスなのに、余計なストレスが生じてしまうというのは何だか本末転倒のような気がしなくもありません。でも何かと雑事が多いイベントごととは、本来どこでもそんなものなのかもしれません。


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赤ちゃんの名前、オーストラリア人たちはどんなふうに考えてるの??

今回はちょっと趣向を変えて、オーストラリア人の赤ちゃんの名づけ方について触れてみたいと思います。日本では“キラキラネーム”とも言うように、一風変わった一筋縄ではいかないような名前が増えているようですが、オーストラリア人の場合どうなのでしょう?

名前の響きと膨大な数の漢字の組み合わせから選ぶ日本人のネーミング法に比べると、英語でのネーミング法ははるかにシンプルに感じます。とくに英語での男の子の名前の種類はかなり限定的に感じます。セレブにちなんだ名前をつけたりというそのときの流行りもあるようですが、今年オーストラリアでもっともポピュラーな赤ちゃんの名前はどのようなものだったのでしょうか。ちょっと調べてみました。
・オーストラリアの赤ちゃんの名前トップ3
男の子
1位 オリバー
2位 ウィリアム
3位 ジャック

女の子
1位 シャーロット
2位 オリヴィア
3位 エヴァ

いずれもどっかで聞いたことのあるような馴染みのある名前ばかりのような気がしませんか?面白いことに、トップ3に限らず、オーストラリア人に人気の名前は100年ごとに人気のサイクルが来るという分析があり、“ウィリアム”、“ジャック”などはおよそ100年前にもポピュラーな名前だったそうです。日本では100年前の名前がまたブームになるというのはちょっと考えられませんが、その点英語の名前というのはリサイクル度が高いと言えるのかもしれません。

写真1:今のアデレードは薄紫色のジャコランダが街を染め、なかなかいい季節です。


ちなみに英語の名前で根強く人気なのは、聖書に由来する名前(ノア、ジェームスなど)で男の子の名前トップ10のうち4つがそうだと言います。また熱心なロイヤルファミリーファンという訳ではないけれども、イギリス王室にちなんだ名前(ウィリアム、ヘンリーなど)も安定的な人気を保っているようです。

子どもの健やかな成長を願って名前を選ぶのはきっとどの国でも同じだと思いますが、ネーミング法にはやはりお国柄があってなかなか興味深いものですね。


写真2:近くの公園では馬の障害物競走レースが行われていました。これは障害物を利用した汽車のディスプレイ。2歳の息子は大喜びでした。



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南オーストラリア州アデレードの暮らしを彩るバラのはなし

11月といえば日本では秋も深まる時期、でも南半球アデレードはいま夏に向けていろんな花々を楽しめる時期です。アデレードと言えばやはりなんといってもバラ、住宅街を歩いていても家々の庭に手入れの行き届いたバラたちが目を楽しませてくれます。人気色はやはり白、白いバラが満開に咲きほこっているとまるでそこだけ雪が積もったような光景になっています。ほかにも淡い色調が可愛らしいピンク、そしてパッと目を引く黄色も華やかで素敵です。


日本では季節ごとに様々な花が咲きますが、乾燥期(夏)と雨期(冬)がはっきりと別れているアデレードの気候では、バラも咲いては枯れてと繰り返しながらほぼ半年近く咲き続けます。ですから日本の四季のような季節感に欠けるのですが、まあ風土が違うのですから仕方ありません。


ところでアデレードとバラについては個人的に思い入れがあります。2005年の2月、私が初めてアデレードに来てホームステイをしたとき、ステイ先の家について部屋を紹介されたとき、ベッドサイドに白いバラがガラス瓶に入って飾られていました。ホストマザーが、

「うちの庭に咲いた花よ」

とさりげなく教えてくれたのですが、自宅の庭に咲いたバラを部屋に飾る、というのが東京育ちの自分にとってはとても素敵な暮らし方のように思えて感動したものでした。今思えばずいぶん少女趣味だったとも思うのですが、初めての外国長期滞在でワクワクしていた当時の自分にとっては、

オーストラリアの暮らし=庭に咲いたバラを部屋に飾る

と脳内に深く刻み込まれてしまったのです。

それから時が経ち、アデレードで自分の家族をもって暮らすようになって、まずやったのが庭にバラの苗木を植えることでした。園芸の通信販売カタログで見つけたのが1本の苗木に白とピンクの2種類の花がつくというちょっと珍しいもの。

写真1:すっかり我が家の庭に根付いたバラ、白とピンクが鮮やかに同時に咲きました。


同じ一つの木にまったく色が違う花がつくということに、当初かなりびっくりしたのですが、品種改良などの技術によりこうした苗ができるようです。ちなみに友人宅では、オレンジ色と赤のバラの花が一つの木に咲いていたのですが、友人いわく「知らないうちにこんな風に花をつけるようになったのよ」とのこと。詳しいことは分かりませんが、なにやら自然の神秘を感じます。


写真2:我が家では小さく一輪挿しで、マントルピースに飾ります。アプリコット色の花はとくに香りが強く、香水の原料にもなりそうなくらいです。


想像以上に乾燥に強く、花をつける期間も長いたくましいバラ、これからも生活のなかで楽しんでゆきたいと思っています。

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大きくなくても十分快適、オーストラリアのタウンハウスとは?

11月半ばといえば、南オーストラリア州アデレードでは夏の始まりで気温もぐんぐん上がるのですが今年は20度前半の過ごしやすい日々が続いています。今回はオーストラリアの住宅スタイルのなかでも、市街中心地の近郊エリアに多い「タウンハウス」についてご紹介しましょう。


タウンハウスというのは、いわゆる低層集合住宅のようなもので、同じデザインのこじんまりとした家が複数建っているのが典型的です。我が家もタウンハウス住まいで、独立した家屋でありながらどういうわけかオーストラリアでは“一軒家”として扱われず、日本でいうところの“マンション・アパート”扱いとなっています。そのため住宅価格も同じエリアの一軒家に比べ、半額ほどの安さ。とはいえ、通常ベッドルームは3つあり、おもに一人暮らしのお年寄り、共働きカップル、独身者など1人〜2人の世帯が暮らしていることが多いです。

写真1:小さいながらお庭もちゃんとついているアデレードのタウンハウス


タウンハウスの良さはやはり何といっても利便性でしょう。庭もそれほど大きくなくガーデニングに費やす時間と労力が必要ない点が便利。(オーストラリアの一軒家はお庭も広い分、木々の剪定、芝生の手入れ、水遣りなどかなりの労力を要します。)また日本のマンションのように管理会社を通じて全体のマネージメントをしているので、毎月の管理費こそ発生しますが、さまざまな雑務からも解放されます。それにベッドルーム3部屋とは、日本人なら納得できる間取りではないでしょうか。個室が3つあるということは子どものいる家族でも十分住める広さだと思えます。オーストラリア人の感覚からすると、“家族には手狭”なようですが、ここがオーストラリア人と日本人の住宅スペースの根本的な違いのような気がします。

写真2:庭もデッキングメインで、メインテナンスが楽。でもおしゃれで解放感があります。

さらにアデレードのタウンハウスは2階建てが多く、1階がリビングやキッチンと言った“パブリックスペース”、2階がベッドルームとバスルームで“プライベートエリア”とはっきり区別できるのが特徴的です。こうした間取りだと友だちをよんでホームパーティなども気軽にできるような気がします。


また市街中心部から近くにあることが多いので通勤などの面でも便利、タウンハウスに住むというのもなかなかいいものです。

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