土地が広いからこそできる、オーストラリア人の土地活用法

一軒、一軒の敷地が広いオーストラリア、広々と暮らせるだけでなく、じょうずに土地活用をして経済的にもメリットを生む工夫があることを今回は、ご紹介しましょう。

ある知り合いのオーストラリア人の話です。こちらの典型的な一軒家に住む50過ぎの彼は、3人の子どもも無事成長し、あとは悠々自適のリタイヤ生活を楽しみにしています。なんでも、キャンピングカーで妻とオーストラリア各地を旅行しながら暮らすのが、夢だといいますが、もちろん金銭的な余裕が必要なことはいうまでもありません。そこで、彼が考えたアイディアが、自宅の敷地の半分を、再分割してアパートを建て、そこから家賃収入を得よう、というものです。

こちらの平均的な家の敷地面積は、約500㎡。4ベットルームの家でもその半分内くらいに収まり、あとはバックヤードと呼ばれる裏庭や駐車場として利用されています。子どもたちが巣立ってしまえば、そうした余分に広いスペースも必要なくなるので、惜しげもなく分割してしまおう、という気になるようです。もちろん、家そのものは手付かずで残るので、普段老夫婦で住む分にはなんの不自由もありません。むしろ、庭の手入れの必要がいらないことを喜ぶ人が多いとききます。

もちろん、アパートを建てる初期費用がかかることはいうまでもありませんが、日本とは真逆にインフレが常に続いているオーストラリアでは、土地や不動産価格も毎年うなぎのぼり。不動産資産を持つことは、”決して損はしない投資”と考えられているのです。

同じような発想で、年老いた自分の親を、自宅敷地内に小さな独立した部屋を建てて住まわせたりして、出費を抑えるケースもよくあります。

現状の生活を維持しつつ、年をとってから経済的バックアップとして自宅の敷地を切売りして、老後に新たな収入を得る。いざというとき困らないための経済自己防衛策として、こうしたことが特にお金持ちでなくても出来てしまうオーストラリア人は羨ましいと思います。


ミセスリフォームスタイル

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写真1:もともと1軒分の敷地を、半分に分割し、新たに2件の家を建てる様式を、”デュプレックス”といいますが、2つの家でも1つの家に見えるように設計が工夫されています。こちらはかなりモダンなタイプのもの。

写真2:別の”デュプレックス”の一例。街路樹をはさんで、これで2軒分ですが、もともとはひとつの家が建っている敷地でした。