南オーストラリア州アデレードの暮らしを彩るバラのはなし

11月といえば日本では秋も深まる時期、でも南半球アデレードはいま夏に向けていろんな花々を楽しめる時期です。アデレードと言えばやはりなんといってもバラ、住宅街を歩いていても家々の庭に手入れの行き届いたバラたちが目を楽しませてくれます。人気色はやはり白、白いバラが満開に咲きほこっているとまるでそこだけ雪が積もったような光景になっています。ほかにも淡い色調が可愛らしいピンク、そしてパッと目を引く黄色も華やかで素敵です。


日本では季節ごとに様々な花が咲きますが、乾燥期(夏)と雨期(冬)がはっきりと別れているアデレードの気候では、バラも咲いては枯れてと繰り返しながらほぼ半年近く咲き続けます。ですから日本の四季のような季節感に欠けるのですが、まあ風土が違うのですから仕方ありません。


ところでアデレードとバラについては個人的に思い入れがあります。2005年の2月、私が初めてアデレードに来てホームステイをしたとき、ステイ先の家について部屋を紹介されたとき、ベッドサイドに白いバラがガラス瓶に入って飾られていました。ホストマザーが、

「うちの庭に咲いた花よ」

とさりげなく教えてくれたのですが、自宅の庭に咲いたバラを部屋に飾る、というのが東京育ちの自分にとってはとても素敵な暮らし方のように思えて感動したものでした。今思えばずいぶん少女趣味だったとも思うのですが、初めての外国長期滞在でワクワクしていた当時の自分にとっては、

オーストラリアの暮らし=庭に咲いたバラを部屋に飾る

と脳内に深く刻み込まれてしまったのです。

それから時が経ち、アデレードで自分の家族をもって暮らすようになって、まずやったのが庭にバラの苗木を植えることでした。園芸の通信販売カタログで見つけたのが1本の苗木に白とピンクの2種類の花がつくというちょっと珍しいもの。

写真1:すっかり我が家の庭に根付いたバラ、白とピンクが鮮やかに同時に咲きました。


同じ一つの木にまったく色が違う花がつくということに、当初かなりびっくりしたのですが、品種改良などの技術によりこうした苗ができるようです。ちなみに友人宅では、オレンジ色と赤のバラの花が一つの木に咲いていたのですが、友人いわく「知らないうちにこんな風に花をつけるようになったのよ」とのこと。詳しいことは分かりませんが、なにやら自然の神秘を感じます。


写真2:我が家では小さく一輪挿しで、マントルピースに飾ります。アプリコット色の花はとくに香りが強く、香水の原料にもなりそうなくらいです。


想像以上に乾燥に強く、花をつける期間も長いたくましいバラ、これからも生活のなかで楽しんでゆきたいと思っています。

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