レベルも広さも桁違い?映画に出てくるような豪邸がたくさんあるアデレード

アデレードは、オーストラリアでも5番目に大きな都市といわれていますが、ここにどんな人が住むのだろうと思わされるようなお屋敷、豪邸がたくさんあります。日本ではよく高額な住宅を表すのに、「プール付きの豪邸」なんていいますが、プールだけではここでは豪邸とは呼べないかもしれません。プール付きの家というのはそれほど珍しくないからです。

アデレードでは、プールとテニスコートが揃って初めて「豪邸」ということができます。ただし、屋外にあるプールが使えるのは、真夏(1月、2月)の本当に暑い時期だけで、よほどヒーターを酷使しない限り、一年の大半は使い物になりません。また、テニスコートも、かなり広い面積を占めるのですが、これも実際にテニスをしている人を見かけたことは皆無です。東京育ちの私としては宝の持ち腐れにしか思えないのですが、良家の人々にとってテニスが社交の場のひとつであった古き良き時代の名残り、といえるのかもしれません。さらに、古い時代に設計された大きな家になると、門から家まで車寄せがしっかりあります。敷地面積がおよそ2,000㎡におよぶ住宅も例外ではなく、その広さは日本と桁違い。アデレード出身の有名人といえば、まずメル・ギブソンが挙げられますが、かつて彼が住んでいたという郊外の邸宅も文字通りお城のような建物でした。

 最近の若い人たちは、こうした過分なスペースや、手入れに手間隙のかかる庭などを好まないといわれています。無機質なコンクリートがつかわれた箱のような直線的なデザインの家に庭無し、そのうえ駐車スペースはたっぷり4台分、という住宅モデルのほうが人気のようですが、古いたたずまいを残したエレガントなスタイルの家が多く残っているエリアを見ると、少しもったいないような気がします。コストと効率が最優先され、道行く人の目を楽しませる前庭や、時代がどんなに過ぎても色あせないエレガントなデザイン、後の世代が住むことまで考えた家作りがないがしろにされてしまっている傾向は、現代社会ならではの問題かもしれません。


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写真1:
まるでお城!2階建て石造りの建物の前に広くとられた車寄せ

写真 2:
アンティーク家具で統一された室内もホテルのようです