オーストラリア人の住宅ライフサイクル

今回はオーストラリア人が一生を通じて、どのように住宅とかかわりあっているのか、ということを考えてみたいと思います。日本人の場合、独身ならワンルームのマンションで暮らし、結婚して少し広いところへ移り、30代、40代でマイホーム購入、以降ずっとそのマイホームで暮らす、というパターンが多いかと思います。

それに比べ、オーストラリア人は20代で、最初に狭いながらもユニット(アパート)などを購入し、結婚や子どもをきっかけに、いわゆるファミリーハウスと呼ばれる大きな一軒家に引っ越す、という人が多くいます。日本人との大きな違いは、子どもたちが自立してしまうと、ファミリーハウスは老夫婦2人で住むには広すぎて、庭の管理や手入れなども行き届かなくなる、という点です。そうなると、今度はもう一度、小さめの住宅に引越さなければならいというケースがよくあるようです。

オープンインスペクション(売却物件の内覧)に行くと、時々、家族が住む家としてこれ以上は望めないと思えるくらい、素晴らしい家に出会うことがあります。広いリビングエリア、シャワールーム付きの夫婦用マスターベッドルームに、子供用の部屋が3部屋以上。そして、キャッチボールがゆうにできる広い裏庭に、プール。持ち主はどんな思いでこの家を手放すのだろうと想像すると、子育ての終わった老夫婦が家を売却して、より小さな家や老人ホームに引っ越すのだ、という話をよくききます。

家族の思い出がつまった家を手放すのは、非常につらいことだろうと思いますが、このあたりの一軒家の平均敷地面積は、およそ600㎡から800㎡ほど。たしかに、お年寄りだけで、こうした敷地を維持することは大変だと思われます。また、オーストラリア人には、二世帯同居という習慣も無いので、同じ家に子どもたちが住み続けるということもありません。あくまで、一代限りという点、少しドライだなと感じてしまうこともあります。


ミセスリフォームスタイル

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写真1:プール付きの大きな家に家族と住むというのは理想的ですが。。。

写真2:老人ホームも、このようにレンガづくりの素敵な施設だと、気持ちも前向きになれそうです