子ども部屋からみえるオーストラリアの住宅事情

オープンインスペクション(売却物件の内覧)に足しげく通い、多くの家々をみてまわるうちに、ひとつ気づいたことがありました。子ども部屋が日本のそれとは違うのです。日本の子ども部屋には小学生であればだいたい勉強机があるものではないでしょうか。狭いながらも、机があって教科書やマンガなどがちらかっている。そんなイメージがあたのですが、こちらは部屋の真ん中にシングルベットあるいはダブルベットが堂々と置かれ、部屋の主役になっています。なかにはウォークイン・ワードローブがあるようなものまであります。つまり、部屋の目的は“寝る”、の一言に尽きるのです。これには最初ちょっと驚きましたが、オーストラリア人の夫にいわせると「オーストラリアの親は、子どもが学校でいい成績をとるより、スポーツでいい結果を出すほうが大事だと思っている」そうです。宿題はもっぱらリビングルームなどでかたずけるとか。塾通いといった習慣も無く、こちらの子どもたちは概してみんなのびのびと生活しているように見えます。

オーストラリアの家の間取り図には時々、寝室とは別に”スタディ(勉強部屋)“と呼ばれる部屋があります。このスタディは、寝室にするにはやや小さかったり(日本人の感覚としてはそんなことないのですが)、窓がない部屋だったりします。いろんな誘惑が少なく、勉強するには集中しやすい部屋、といえるでしょうか。つまり、寝る部屋と勉強する部屋は別、という考えが背景にあるように感じます。一つの部屋でなんでもすることに慣れている身からすると、なんともうらやましい気がしますが、これも住宅に空間的なゆとりがあるおかげでしょうか。


ミセスリフォームスタイル

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写真1:
子供部屋もひじょうにゆったりしています


写真2:
おもちゃもきれいに並べられ、整然としたイメージがあります