オーストラリアの住宅に欠かせない”ガーデン“について

オーストラリアの住宅を語る上で欠かせないのが、“ガーデン”つまりお庭です。こちらの住宅は、家の前後にゆったりとガーデンのスペースをとっているものが多いです。アデレードには、気候に適していることもあるのか、美しいバラをきれいに植え込んだ素敵なフロントガーデン(前庭)のある家が多く、11、12月はとくに町全体にバラがあふれます。

通りに面しているフロントガーデンは、通りすがりの人の目につくものなので、私有地でありながら公共的な意味あいもあり、手入れがゆき届いていることが暗黙の了解になっています。つまり、フロントガーデンは、その家の”顔“のような役割があるのです。フロントガーデンが雑草であふれていたり、枯れ草や枯れ木がそのままになっていると、そこに住んでいる人の品性まで疑われかねない様子があります。

私の住んでいるタウンハウスでは、ある主婦が、「向かいの家のフロントガーデンが、荒れている」と文句をいい、ある日ついに、向かいの家の人の許可なく勝手に枯れ木や雑草を処分し、自分の好みの植物に植え替えていました。そこまでやるものか、とかなり驚いたのですが、つまり、それだけ人の目に触れているものなのです。ですから、フロントガーデンのお手入れに手抜かりは禁物です。

また、家の後ろ側にある裏庭は、バックヤードと呼ばれ、こちらは完全に住んでいる人の私的空間となっています。一般的なのは広い芝生が広がっている裏庭で、子どもたちの格好の遊び場になったり、またホームパーティ(こちらではバーベキューが主流)をするときに多くの人を呼ぶのに便利なようです。なかには子ども用にかなり大きなトランポリンが置いてあったりして、少し羨ましくなったりもします。

このように、住宅のフロントとバックで異なる性格のガーデンですが、オーストラリア人にとって、家とガーデンは切り離せない存在となっています。



ミセスリフォームスタイル

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写真1:人目につくフロントガーデンは家の大切な“顔”です。


写真2:裏庭は、開放的な芝生をメインとしたのが一般的