築100年の家に住むのも楽じゃない?リフォームも大変な古い家

私の住むアデレードは、オーストラリアの都市のなかでも、イギリスやヨーロッパの古く美しい住宅様式がよく保存されていると思います。市街中心部を少し離れた住宅街には、築100年を超える砂岩造りの素敵な家々が並んでいます。しかしながら、古い家を手直ししながら住むというのは、なかなか大変な苦労もあるようです。

ある友人の家がやはりこうした100年以上の古い住宅なのですが、一度訪れてみてびっくりしました。まず、玄関から入るなり、壁には天井から床にかけて全面的に大きな亀裂が走っています。その友人が言うには、家の基盤となっている床下部分が、大きく地盤沈下のようになったため、家全体が傾いでしまったというのです。さっそく、建築会社をよんで、見積もりをとったところ、その金額は新興住宅地に家を建てるのと変わらないくらいの値段だったといいます。
それでも応急処置をしたのですが、傾きはとまらず、さらなる出費を覚悟しなければならないそうで、頭痛の種となっています。私の感覚としては、そんないつ崩れ落ちるか知れない家で暮らしていること自体、信じがたい思いだったのですが。。。

また別の友人で、やはりこうした古い家に暮らしているご夫婦がいるのですが、その家は屋根全体が老朽化し、取り替えなければならなくなったといいます。非常に悩ましいのは、多額の修理費を要しながら、あくまで現状維持のためでしかないという点です。同じお金がかかるなら、ピカピカの新築の家に住みたいという若い家族が増えているのも無理からぬ事と思われます。

古い伝統的な家を守って暮らす、言うは安しですが、実行にはかなりの忍耐力と意思が必要で、現実はなかなか厳しい面があることを、覚悟しなくてはいけないようです。



ミセスリフォームスタイル

http://www.mrs-reform.com

写真1:築100年以上の古い家は、基盤自体が弱っていると、修繕だけでも大変な出費につながりかねません。


写真2:日本の売却物件は大抵きれいに内装が済まされているものですが、オーストラリアではあまり気にされていないようです。以前、お化け屋敷のような家がそのまま売りに出ていました。売り出し文句は“あなたの夢のリフォームにぴったりの物件!”。なるほど、ものは言いようです。。