自宅で優雅に音楽会をひらくオーストラリア人の暮らし

今回はクリスマスにふさわしく、ちょっと優雅な話題にしたいと思います。ある知人の紹介で今年9月から私たちも夫婦で出席しているのが、個人宅でひらかれる音楽会、ソワレという集いです。

クリスティーナベルさんという女性が主催しているのですが、月に1回のペースで音楽家たちを家に招待し演奏してもらう、というものです。音楽のレパートリーも、クラシックだけでなく、オールディーズ的なもの、イージーリスニング調のものなど、様々なジャンルが取り上げられており、毎月のプログラムを楽しみにしています。参加費はおよそ千円ほどで、各自一品づつ軽食を持ち寄るのが決まりと、まるでホームパーティーのようなカジュアルさ。でも、招かれる音楽家たちは、地元オーケストラの経験者など、優秀な人ばかりです。

当初は少人数で始まったこの集いも、現在では毎回40人近いお客さんが来る盛況ぶりで、今年で20周年を迎えるといいます。いくら音楽が好きでも、毎月演奏者を選び、自宅を開放するというのはなかなか大変なものでしょうし、これを20年も続けてきた彼女の情熱には頭がさがる思いです。

それにしても羨ましいのは、何といってもそれだけの人数をご招待できるだけのスペースのある家に住んでいる、ということです。自宅で音楽会なんて、なかなか今の日本ではちょっと考えられないことですよね。音楽は、コンサートホールに行ってきくものだ、ということをあまりにも当たり前に思っていた私は、この話を初めて聞いたとき、驚きというよりショックのような衝撃を受けました。でも、考えてみれば、ラジオもCDも無かった時代、音楽はこのように家で楽しんだり、あるいは教会で慣れ親しむものであったと思われます。つまり、音楽はずっと身近なものだったのではないでしょうか。そんなことまで、いろいろ思いながら、住宅が、単なる”住む“場所だけでなく、こうした”人と音楽の交流の場“となっていることに、感動すら覚えてしまいます。


ミセスリフォームスタイル

http://www.mrs-reform.com


写真1:これが会場となるクリスティーナベルさんのお宅のリビングルームです。壁に20周年をお祝いする横断幕がかかっています。


写真2:今回は、男女8人組のコーラスグループで、「ムーンリバー」、「スタンドバイミー」などの名曲やクリスマスソングを披露してくれました。