クィーンズランド洪水、被害甚大には住宅事情も関係?

オーストラリアのクィーンズランド州は、今年に入ってから、洪水、大型台風に見舞われ、まさに受難、水難の年となりました。同じ州といっても、クィーンズランド州自体が広大で、洪水で被害を受けたブリスベン地域と、台風(サイクロン)の影響をもろに受けた北クィーンズランド地方はかなり距離が離れていることは、不幸中の幸いといえそうです。


また、今回の台風が直撃した地方は、人口が少ないため、かなり組織的に避難がなされ、軍隊組織が活用されたことも、被害を最小限に食い止めるうえで、効果があったと思います。テレビでは、巨大ショッピングセンターに避難した人々の様子が繰り返し流れていました。ところで、先月の洪水で、私が感じたことは、この地域には1970年代にも大きな洪水があったにも関わらず、河川敷を拡張したりする対策があまりなされていなかったのだろう、ということでした。テレビを見ていると、川が流れるすぐ側にもう駐車場ができていて、車があっさり水流にのみ込まれていく映像がありました。また、1970年代に比べ、住宅も増えているのにもかかわらず、あまり洪水対策が考えられていないような新興住宅が多く、これが被害が広がった原因のひとつのような気がしました。同州の古い様式の住宅は、洪水、あるいは集中豪雨対策として高床式になっているものが多くあります。木造ですが、すくなくとも、床をいくぶんか高くしておけば、床上浸水も防げたのではないか、と思うのです。


日本人の私からすると、洪水は地震に比べ、備える時間がある分、人の力で被害を防ぐ工夫がもっと出来たのではないかと思わずにはいられません。住宅とは、イザというとき人の命を守る役割を果たすものだ、ということを改めて考えさせられる今回の水害でした。


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写真1:高床式になっているクィーンズランド州の古い様式の住宅


写真2 :洪水のダメージを受けた道路