ちょっと素敵なアデレードのタウンホール(市役所)たち

今回は個人用住宅ではなく、公共の建物についてとりあげたいと思います。日本の区役所、市役所といった公共施設の建物は、何の変哲もない建物が多いと感じるのですが、アデレード地方自治体のタウンホール(市役所、町役場)の建物はちょっと違います。石造りに、立派な時計台、ノスタルジックな趣きをそのまま残した素敵な建物が多いのです。

昔読んだ本のなかで、"イギリスの旧植民地だったオーストラリアは、新しく町を建設する時に、市民たちの中心的存在であるタウンホールと通信の要である郵便局については、とりわけ誇りとプライドをかけて立派なものを作ろうとした"というような趣旨のことが書かれていた記憶があります。たしかに、アデレードの中央郵便局もタウンホールの向かい側に、まるで宮殿のように堂々とそびえ立っているのが印象的です。

かつては市民の集いの場となっていたタウンホール、現在では市議会のほかにも、コンサートホール、結婚式披露宴、地元オーケストラの練習など様々な形で利用されています。私も一度、地元市議会の様子を見学に行ったのですが、見学者でも議会の進行に不満があれば簡単に野次が飛ばすシーンが
たびたびあり、ちょっと大げさにいうと"民主主義の原点を見た"ような気分になってしまいました。

普段の生活のなかで、たびたび足を運ぶことも少ないかもしれませんが、歴史ある建物が身近な行政の場となっていることは、素晴らしいことだと思います。


ミセスリフォームスタイル

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写真1:うちの地元であるバーンサイド地区のタウンホールは、ちょっと地味めかもしれません。

写真2:こちらはお隣、ノーウッドエリアのタウンホール、大きな時計台があり、コンサートホールとしても機能しています。

写真3:港町グルネルグのタウンホールは、1877年建造の威風堂々たる姿です。