教会の建造物をリノベートして生まれ変わらせたひとつの例

アデレードの住宅で面白いなと思うのは、古い石造りの住宅をよく保存していることですが、ときどき日本ではめったに見れれないような物件が売りに出ていることもそのひとつです。うちの近くの住宅地では、教会の建造物がモダンな住宅に改築されて売り出されていました。

壁面はブルーストーンを使った重厚な家構え、なかのリビングエリアは天井が高く(5m)、とてもモダンな間取りとなっています。もともとは1850年代に建てられた教会の建物だそうです。この家は住宅街を歩いていても、すぐに目につきます、もう売り出しから3カ月近くたっているのですが、まだ買い手がつかないところを見ると、元教会に住む、というのはなかなか勇気のいることなのかもしれません。

520 m² の敷地内で、3ベッドルームに、バスルームがふたつ。このあたりの住宅用物件としては申し分のない造りです。もともと教会が多いといわれているアデレードですが、近年では維持が難しく、こうして住宅用に改造されたり、商業用建物に転用されることも珍しくありません。こうした動きを不謹慎だという人たちもいますが、どういう形であれ、古くからある建物が維持されるのはいいことではないでしょうか。歴史ある建物が無残にも取り壊されて、いかにもコスト最優先で作られたような味気ない建物に変えられてしまうほうが、見ていて残念な気分になります。

19世紀建造の教会が、21世紀にファミリーホームとして甦る、というのはなかなか感動的な眺めだと思いながら、この家の前を散歩で通り過ぎるのが、最近の日課になっている今日このごろです。


ミセスリフォームスタイル

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写真1:一見レトロな教会、でも玄関ドアが鮮やかな赤でちょっと目を引きます。

写真2:リビングエリアは高い天井でとてもモダンな感じに。

写真3:こちら家の裏庭の様子、背後に見えるのは隣接する別の教会の建物で、こちらはさらに巨大です。