いわゆる日本の”マンション”に近い、オーストラリアのタウンハウスという形態

日本では、家族でマンションに住んでいる家庭が多くありますが、オーストラリアではどうでしょうか?じつは、オーストラリアでは、ひとつの建物のなかに何世帯かはいって住んでいるのは“ユニット”と呼ばれ、日本のアパートのような感じになります。そして、子どものいる家族は、圧倒的に一軒家に住んでいることが多いのですが、ちょうどその、“ユニット”と一軒家の中間のような存在が、タウンハウスと呼ばれる形式の住宅になります。
わたしもそのタウンハウスに住んでいるのですが、たいてい2階建ての建物がおなじ敷地内に複数立ち並び(5〜20)で、ワンフロアの広さは、通常の家の半分程度(3LDK+トイレが2箇所) 、市街地に程近い住宅街に多く見られる住宅形式です。タウンハウスを建てた不動産会社が全体の管理を行っており、月々の管理費が発生する点は、日本のマンションと同じです。

○日本とオーストラリアの住宅様式のカテゴリー

 日本  オーストラリア
・アパート(単身者向け、きわめてシンプルな構造)→ユニット
・マンション(ファミリー向け集合住宅)  →タウンハウス
・一軒家(独立した一戸建ての家)  →ハウス

日本のマンションとオーストラリアのタウンハウスの大きな違いは、日本のマンションには、家族(親+子ども)で住んでいる人が多いと思うのですが、タウンハウスは、カップルあるいは単身者が住んでいることが多いという点です。1階がリビング、キッチン、ダイニングなどの共有スペース、2階にベッドルーム3つ、というのが典型的な間取りになります。3つも個室があるのだから、ファミリーでも住めるのではないか、というのは日本的な発想。オーストラリア人からすると、子どもがいるなら、広々とした裏庭のある大きな家に住むのが理想だと考えるようです。そのため、若いカップルが子どもができる前に住んでいて、子どもが生まれると、戸建ての家に引越しする、というパターンをよくききます。あるいは、リタイヤした一人暮らしのお年寄り、というのもタウンハウスによく住んでいます。市街地に近くてなにかと便利、ということと、家のメンテナンスや庭の手入れの手間がほとんどない、という点が、気ままなお年寄りの一人暮らしにあっているようです。タウンハウスには、戸建てごと独立しているものもあれば、建物がくっついているものもあり、それぞれの風情があってなかなか楽しめます。

ミセスリフォームスタイル
http://www.mrs-reform.com

写真1:レンガづくりが目を引くタウンハウス

写真2:狭い敷地も有効活用、でも1階のベイウィンドウがなんとも優雅です。

写真3:オーストラリア的にかなりレトロなデザインのタウンハウス