西洋のインテリアでは重要なファクター、壁紙の奥深い世界

日本で壁紙というと、白やベージュの無地や小さな花柄のパターンなど、無難なものが主流のような気はしますが、欧米では部屋の個性を左右する重要なインテリアファクターとして重宝されています。

英語ではウォールペーパーと呼ばれ、歴史も古く、イギリスなどには多くの専門店が現在も個性的なウォールペーパーを作成し続けています。こちらのおしゃれなカフェやパブなどではシルバーの光沢が美しい斬新なデザインの壁紙が効果的に使われ、すてきな空間を演出しています。自宅用としては、1970年代ごろまではポピュラーで、部屋の全ての壁におなじウオールペーパーを貼るスタイルが多かったようですが、あまりに模様が細かかったりするとかえって目が疲れてしまうような部屋もみたことがあります。また、その頃になると、伝統的なウォールペーパーより、壁を好きな色にペイントする”フューチャーウォール”に人気が移っていったようです。

しかし、最近また部屋の空間にエレガントな印象を与えるウォールペーパーにまた人気が集まってきています。今どきのスタイルは、部屋の壁の一面だけにウォールペーパーを使用し、視覚的に注目をあつめるものです。これだと、”やりすぎ感”もなく、効果的にウォールペーパーを見せることができます。また、ペイントしただけで無地の”フューチャーウォール”より、動物、植物、精緻な模様を演出できるウォールペーパーは使い方次第で、大きくその空間の印象を左右することができます。

我が家でもフロントルーム(応接室)に、わたしが一目惚れしたウォールペーパーを飾りました。ただし、DIYで貼ったので完璧な姿ではありません。通常、ウォールペーパーは裏全面に専用の糊をつけてビシッと壁に貼り付けるのですが、わたしたちは大胆にも四隅を大型ホッチキスでバチンと止め、糊は縁部分の最小限に留めました。専門の人がきいたら、怒られてしまいそうな大雑把振りですが、多少見栄えが悪くなってもお金をかけないで自分たちで、という気持ちと、さらに全面糊付けしてしまうと後になって壁紙を外したいと思ったときに、また糊付けの後を落とすのが大変な作業となると聞いたことがDIYでと決めた理由です。

この壁にホッチキスで、というアイディアは、田舎町のオーガニックカフェで見かけたものです。いかにも女性がすきそうなおしゃれなそのカフェではすてきなファブリック(布地)を、壁面にホッチキスで止め、さらにその縁を同系色のリボンで飾るというものでした。これを見たとき、”ああ、ホッチキスなら簡単にできるね”となんだか目からウロコのような気がしたのを覚えています。

メルヘンな動物柄から、エスニックな模様まで、色やパターンの組み合わせもたくさんあるウォールペーパーの世界、なかなか奥深いものです。



ミセスリフォームスタイル

http://www.mrs-reform.com

写真1:レストランの壁紙。枯れ木に小鳥たちのシルエットという模様は定番スタイルのひとつです。


写真2:
これが我が家のフロントルーム。中心はもともと鏡をかけるつもりで空けておきましたが、もうひとつの壁にも大きな鏡がかかっているので止めておきました。


《ご参考サイト》
こちらは、Sandarsonというイギリスの会社の壁紙の紹介をしているサイト、写真をみると壁紙が部屋の印象を左右するメインキャラクターであることが感じられます。
http://www.craveinteriors.com.au/blog/03-06-10/150-years-sanderson-wallpapers