木の気になる話 パート2(ショッピングセンター編)

先月、我が家の庭に生えている大きな木の剪定がなかなかたいへんだというお話をしましたが、野性味あふれる国オーストラリア、巨大な木々はいろいろなところにあります。


うちの近くのショッピングセンターが昨年1年半をかけてリニューアル、新しくなったセンターのモニュメント的存在で施設屋内に堂々と枝を伸ばしている高さ18メートルほどのユーカリの木もそのひとつ。もともと駐車場にあった大きな木ですが、ショッピングセンターの拡張に伴い、伐採されずに残されることとなったのです。地元ではリバーレッドガムツリーと呼ばれているユーカリの木で、この木は樹齢およそ90年ほどだといいます。この種の木としてはまだまだ若いほうで、樹齢600年を超えるとか。


このユーカリの木を健全な形で屋内でも生育できるように、施設の設計も採光・採風を考慮した独特のデザインになっています。屋根が木全体を覆うようになっており、外から見るとまるで宇宙船のような形で、なかなか近未来的なつくりです。


ユーカリの木を囲むようにして、イタリアン風カフェができており、室内にいながらまるでアウトドアテラスのような空間を楽しめるのが大きな特徴です。


ただし、これだけの木を維持するのには、水遣り、害虫駆除、剪定などなどとても手間がかかっており、専属の庭師がほぼ3ヶ月に1度ずつ定期検査を行っているそうです。にもかかわらず、時々よくみると、枝振りがよくなかったり、葉が緑を失って元気がないように見えるのでちょっと心配していました。でも、地元新聞紙に載っていた専属庭師の話によると、木はちゃんとメインテナンスがなされ、害虫駆除用のスプレーがまかれているとのこと、すこし生気に欠けるように見えてもちゃんと新しい環境に適応しているということです。


これだけ大きな木をショッピングセンターの屋内に取り込んでしまおうという発想、そして木を維持するために相応の費用を負担しようという決断、オーストラリア人の木に対する想いの一端が感じられるような気がします。



ミセスリフォームスタイル

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写真1:木のふもとには、イタリアン風のカフェがあり、まるでアウトドアにいるような気分に。

写真2:ショッピングセンターの外観、とても近未来的です。