家族旅行に行けなくなっちゃう!?オージーの休暇に対するおもしろい考え方


ちょっと前に、南オーストラリア州の地元紙「Advertiser」に面白い記事がのっていました。見出しがなんと“家族旅行に行けなくなる可能性も。。公立校で最低出席率の引き上げを検討”というもの。公立校の生徒の出席率が下がっており、十分な授業を受けないまま卒業するのを防止するため、卒業に必要な最低出席率を引き上げよう、という動きがあることを伝えているのです。


面白い!と思ったのは、子どもの学校の出席率について真っ先に見出しに上る言葉が、学習の遅れや教育うんぬんというったことではなく、ずばり“家族旅行”であるということ。このあたりの感覚、かなり日本とは違うと思わざるを得ません。。



オーストラリアでは、一家の働き手が、2週間、あるいは1ヶ月といったかなり長い休暇を取ることが珍しくありません。そして、それを有効に過ごそうと家族旅行を計画するファミリーも多いとか。学校側も、今まではそうした家族の意向にかなり理解ある態度だったそうです。



地元オーストラリア人の夫が子どもの頃も、学校でときどきクラスメートがそんな長期旅行に出ることもよくあったと聞きます。



ただし、一口に家族旅行といっても、日本とはすこし趣が違うかもしれません。移民国であるオーストラリアでは、親が他の国から移民してきたというパターンが多く、祖父母や親戚に会いに行ったり、ビジネス関係で外国に出かけるというケースもよくあるのです。ですから、いわゆる観光旅行ともちょっと異なります。



ちなみに、この記事に対する新聞社のコラムでは、“家族での長期旅行、大いに結構ではないか。たとえば、日本のような国を訪れ、オーストラリアとはかなり異なる文化、歴史、言語に触れるのは教育的にも多いに意味がある。学校で学ぶことだけが、勉強ではない。”という主張が堂々と書かれており、なんだか読んでいて面映いような気持ちになりました。もちろん、憂慮されるべきは、家族で旅行できるほどの経済的余裕のない家庭の子どもたちだ、という但し書きもあったにせよ、オーストラリア人の“休暇”に対するセンスがなんとも不思議です。


ミセスリフォームスタイル

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写真1:これが地元紙「Advertiser」。家庭で購読しているのは稀ですが、街の喫茶店やカフェなどによくおいてあり、コーヒーを飲みながら、ページをめくる人をよく見かけます。


写真2:オーストラリアで身近な家族旅行といえば、キャラバンパーク。小さなコテージに、家族で泊まることができ、価格もきわめてリーズナブルです。