オーストラリア人の心の原風景ともいえる“オールドハウス”とは??

どの国や文化にもそれぞれ“心のふるさと”、原風景となっている住宅というのがあると思います。日本だったやはり木造の古民家でしょうか。実際そんな家に住んだことはなくても、ノスタルジーを感じたり、懐かしく思えることがありませんか?


オーストラリアにももちろんそんな住宅が存在します。本日ご紹介したいのは、“ホームステッド”と呼ばれる形式の住宅で、オーストラリアの農場主の邸宅ともいうべきものです。じつは夫(オーストラリア人)の母方の家系も牧場を営む家で、祖父の代までおよそ3代にわたりホームステッドを維持していたのですが、祖父の死後は牧場経営をあきらめホームステッドも手放してしまいました。牧畜の盛んなオーストラリアらしく、ホームステッドは家族だけでなく繁忙期に雇った人たちも住めるよう大きな作りのものが多いようです。


南オーストラリア州有数のワイナリー地帯バロッサバレーにあるキングスフォード・ホームステッドもそのひとつ。ステファン・キングというイギリスからの入植者によって1856年に建設された大邸宅です。サンドストーンという石造りで、2階建ての邸宅はジョージアン様式だといいます。まだまだ周辺も辺鄙だったこの時期にこれだけの邸宅を建てるとはまさに新しい地位と富を手に入れた証。しかしながら1860年代に深刻な干ばつが続き、キング一家はこの家を手放さざるを得ませんでした。その後、何人かの所有者を経て、2009年現在のオーナーを迎え、リノベーションを施し、高級感あふれる5つ星カントリーリゾートとなっています。


じつはキングスフォード・ホームステッドの知名度が一気にアップしたのは、オーストラリアの人気ドラマ『マクラウドの娘たち』(2001年―2009年:全7シーズン)のロケ地となったからということがあります。父親から引き継いだ広大な牧場を姉妹が助け合って営んでゆくというストーリーで、カウボーイならぬ、“カウガール”たちが馬に乗って活躍します。いかにもステレオタイプだという人もいますが、広大な牧場、馬、たき火、そしてホームステッドとはオーストラリア人の心のふるさとにある風景なのでしょう。


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キングスフォード・ホームステッド公式サイト:http://kingsfordhomestead.com.au/

写真1:キングスフォード・ホームステッドの外観

写真2:現在は高級リゾートとして宿泊できるようになってます。

写真3:この邸宅で撮影が行われた、人気ドラマ『『マクラウドの娘たち』