・なかなか興味深い、アデレードの住宅スタイル徹底分類!(中編)

前回に引き続き、アデレードの住宅スタイルについて今回もお話ししたいと思います。前回は、南オーストラリアにイギリスから移民が入ってきて、アデレードという都市が建設されるいわば創成期に建てられた住宅をみてきました。今回は、それから数十年が経ち、生活レベルがかなり上がってきた19世紀後半に多く建てられたヴィラ(郊外住宅)を中心にご紹介します。


・1870 &-1890 ベイウィンドウ・ヴィラ(Bay Window Villa )
ベイウィンドウとは壁から大きく張り出した出窓を意味します。1870年から1890年にかけてアデレードで良く建てられたのが、このベイウィンドウを特徴としたヴィラです。ベイウィンドウだと張り出した3つの面から光を取り入れることができ、採光率アップ、自然光がより多く室内に入ってくるので、明るい部屋になります。いかにもクラシカルな趣きで、私がアデレードで大好きな住宅スタイルのひとつです。


・1880-1915 ヴィラ(Villa )
住宅のフロント部分が、大きな窓とエントラス用のベランダで構成されているのが典型的なヴィラ。アデレードでは木材より石材が手に入りやすかったようで、アイボリー色のサンドストーンや、茶色系のブルーストーンがよく使われました。家の内部は、ベッドルームが3-4つ、そしてお客を迎えるための応接室や、フォーマルダイニングルームがあるのが特徴です。モダンな住宅と違い、元来リビングルームやキッチンは小さめです。しかしリフォームによって住宅の後ろ側を大胆に拡張し、大きくて明るいリビングルームを備えたヴィラもたくさんあります。


いかにも古き良き時代を伝えている、石造りのヴィラ。アデレードの住宅を今も魅力あるものにしているのは、こうした19世紀後半に建てられたヴィラたちだと感じます。


ミセスリフォームスタイル
http://www.mrs-reform.com

写真1:ベイウィンドウが大きく設けられたヴィラ。この住宅は1895年に建てられ、今も人が住んでいますが、歴史を感じさせる地域シンボルともなっています。

写真2: 白いサンドストーン、白いバラ、そして白いフェンス。”いつかこんな家に住んでみたい!”と憧れが募る、ヴィラです。

写真3:こちらはブルーストーンと呼ばれるダークカラーなヴィラ。