日本とオーストラリア、“パン屋さん”にも違いがあります。。 日

日本は世界でも有数のグルメ大国、アジアの味もヨーロッパの味も貪欲に取り入れ、日本人好みの味にアレンジする才能は大変なものだと思います。たとえば、世界のどこでも食べられると言われている中華料理ですが、私たちが思い浮かべる“中華料理”は日本人の味覚に合うようにアレンジされたもので、本場の中国の味とはずいぶん違うと考えたほうがいいでしょう。アデレードにある中華レストランに行っても、かなり油っぽいものがメニューに多く、“日本の中華が食べたい”と無性に思えるときがあります。


パンもそのひとつかもしれません。いわゆる“パン屋さん”も日本のそれとアデレードのものはけっこう違うのです。

菓子パン、お総菜パンと種類も豊富で、季節ごとに旬の食材を取り入れたパンもよく見かけられる日本のパン屋さんと異なり、オーストラリアのパン屋さんは極めてシンプル。新商品がでることもなく、年中おなじ顔ぶれで種類もそれほど多く感じません。日本のようなセルフサービスではなく、お店の人に頼んで商品をとってもらう形式で、食パンやライ麦パンなどの大きいパンはカウンターの後ろに並べられています。お総菜パンに匹敵するのは、以前ご紹介したパイ類、すべて保温用ケースに入った状態です。


写真1:郊外のベーカリー店内、カウンターの後ろには大きなパンたちが並び、ショーケースにはパイ類やケーキたちが。

甘いものはフルーツタルト、ブラウニー(チョコレート味のスライスケーキ)、ナッツの豊富なピーカンパイなどですが、これらは“菓子パン”というより、立派なデザートやケーキといった類でしょう。(ちなみにアデレードにはいわゆるケーキ屋さんというのはあまり見かけません、そのかわりチョコレート屋さんが多いです)


オーストラリアのパン屋さんも悪くはないのですが、ときどき無性に“日本のパン”が食べたくなります。そんなときの救世主は、なんと中国人などアジア人の経営するパン屋さん。店内の商品棚にパンが並び、トレーとトングがあってお客さんがセルフサービスするところから、もう“日本のパン屋さん”です。品ぞろえも、カレーパン、メロンパン、ロールパンなど懐かしいものばかり。硬めなものが主流のオーストラリアのパン屋さんと違い、ふわふわ、もっちり感のあるパン生地がなんとも嬉しいのです。このパン屋さんでは、いわゆる“日本のプリン”も売っており、無性に食べたくなった時の強い味方です。


写真2:アジア系パン屋さんは、日本のパン屋さんに限りなく近くて心強い存在。ツナマヨパンとシュークリームです。


食べものが精神に与える影響は計り知れません。オーストラリアにすっかり慣れたつもりになっていても、時々ものすごく“日本のパン”が食べたくなって、柔らかいパンを食べるときなんだかとても幸せな気持ちになります。


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