さすがアデレードの伝統住宅、中庭にはなんと“コーチハウス”が!!

日本は9月に入り、暑さも和らいできた頃でしょうか。私の住む南オーストラリア州アデレードでは日本と季節が真逆で、今まさに春の訪れという時期、桜に似たアーモンドの花々が咲き乱れ、日もどんどん伸びています。こんな季節は、ただ住宅街の古いお屋敷をながめながら散歩するだけでも楽しいのですが、ちょっと異色な住宅を見つけました!

写真1:サンドストーンの石造りに、大きくとられたベランダは典型的な南オーストラリアの伝統住宅の形式です。


アデレード市街からほど近いエリアにあるこの住宅、外からの見た目は“アデレードでよく見る古くて大きな住宅”という感じ。それもそのはず、なんと建築年は1861年というから日本はまだ江戸時代の頃。その後、150年以上も代々の家主さんたちが、修繕改築を施して、今でも立派に人が住める住宅にしているのです。

写真2:裏庭に、母屋とは独立して現存する“コーチハウス”、ずばり“馬車小屋”のことです。


母屋を抜けると広大な裏庭が広がっていますが、そこにはもうひとつの建物が。。こちらも堂々としたサンドストーンの石造りで本格的なもの。大きさは2階建てでこれだけでも十分一軒家として通用しそうです。そしてこの建物が“コーチハウス”、つまり馬車小屋として利用されていたものだと知ったときはびっくりしました。馬車と馬2,3頭は軽く収容できるのではないでしょうか。この家が建てられたのが1861年ということを考えると、確かに当時は“馬車”が生活の足であったのでしょう。しかしその建物を現在まで、しっかりした形で残していることに驚きです。


もちろん馬車小屋のままなわけではありません。キレイにリノベーションが施され、キッチン、バスルーム付きの独立した住居空間になっており、人が住める状態になっています。オーストラリアでは、こうした母屋とは独立した建物を“グラニーフラット”と呼び、年老いた親を住まわせたり、ゲスト用に使ったりしています。

写真3:母屋の地下にはこのような“ワインセラールーム”も。“家飲み”もスケールが違います。。。


もちろんアデレードでも古くなって朽ちてゆく住宅もたくさんあります。しかし、家主さんが愛情を持って手を加え、リノベーションを施してゆけば、住宅として新しい命を得て住み継がれてゆけるということを、よく体現した住宅なのだなあと感じました。




ミセスリフォーム
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