オーストラリアの住宅事情、各都市によってそれぞれ大きな個性が。。

広大なオーストラリアですが、住宅事情もそれぞれの都市に個性があり、一筋縄ではゆきません。今回はそんな各都市の個性について迫ってみたいと思います。私の住む南オーストラリア州の州都アデレードは都市とはいえそれほど大規模というわけでもなく(日本の姫路市姉妹都市提携をむすんでいます)、家族世帯として住むには程よい規模。市街地は徒歩で歩けるくらいのこじんまりしたものです。ときに“大いなる田舎町”と揶揄されることもありますが、家族でスローライフを営むのには適した都市と言われています。


写真1:生活コストもシドニーなどに比べ安く、ファミリーで住むには向いているアデレード。中心街でも高層ビルはまばらで“大いなる田舎町”と揶揄されることも。。


日本でも有名なシドニーメルボルンとなると、都市としての規模もずっと大きくなり、人口も集まりやすい分、住宅価格も跳ね上がります。特にシドニーは経済の中心都市として人気もあるので、住宅価格も高騰ぎみ。とくにランドマークとなっているシドニーハーバーやオペラハウスを眺められる高台にある住宅街は、オーストラリアでも恐らくもっとも高級な住宅街と言えるでしょう。セレブのような人たちがたくさん住んでいるエリアと言われています。

写真2:一番の繁華街にもこんな古い建物が残っているあたり、アデレードらしいです。



ところで意外なのが西オーストラリア州の州都パース。“世界で最も孤立した都市”とも言われるほど、遠隔地にある都市なのですが、こちらの住宅価格もびっくりするほどお高いのです。パースのある住宅街では、なんと7億円相当という金額の住宅がありました。それほどの“豪邸”というわけでもないのになぜなのでしょう?気になってそのエリアの他の住宅も調べてみたところ、それに匹敵するような住宅がたくさん。これはどうしても腑に落ちない、と気になってオーストラリア人の夫に聞いてみたところこんな答えが返ってきました。


西オーストラリア州は鉱業が非常に大きな産業になっており、それで裕福になった人たちがたくさんいる」


たしかにオーストラリアは自然資源が豊富で、鉱業が大いに盛ん。遠隔地の採掘場に期間限定で働きにゆく“出稼ぎ労働者”も多いと言います。こうした労働者のことを英語ではF.I.F.O.(Fly In, Fly Out:フライイン、フライアウト 飛行機で作業地まで往復することからこう名付けられたようです)と呼んでいますが、僻地手当ても含めてかなり報酬がよいようです。期間と職種にもよりますが、ある人は週で30万円ほど稼いでたという例もあります。


そういったいわば、“鉱業ブーム”に乗あった人たちが住宅価格を押し上げていることが背景にはあるのかもしれません。パースは他のオーストラリアの一都市に過ぎないとずっと思っていたのですが、なかなか意外でした。


ところでこうした実入りのいい“F.I.F.O.”ですが、僻地という特殊な環境での労働ということもあり、精神的にいきづまってしまう人もけっして珍しくないと言います。なにごともけっして美味しい話ばかりではない、ということを忘れないようにしたいものです。


ミセスリフォーム
http://www.mrs-reform.com