南オーストラリア州の伝統的な住宅についてもう少し詳しく。。
以前、オーストラリアの伝統的な住宅について、もう少し詳しく知りたい、というコメントを頂きましたので、私の住んでいる南オーストラリア州の伝統的な家について、今回はお話したいと思います。
まず、特徴的なのは、石造り(主に砂岩)の家が多いということです。これは、背後にアウトバックという広大な砂漠地帯がひかえており、乾燥した気候のため、木材が不足していたこと、石材は海岸線に沿ってわりと豊富にあったことが原因と思われます。 これが森林の多いお隣ビクトリア州にはいると、木材でできた家が多く見られるのとは、とても対照的です。
第二に、住宅としては、夏の酷暑(40度を超える日もある)にそなえ、暑さを凌ぐための工夫がなされていることです。まず、家の周囲には広く庇(ベランダ)をとり、日が直接部屋に入り込まないようになっています。ベランダの床部分はタイルでできていることが多く、夏素足でいると、ひんやりして涼しいものです。また、ハイシーリングで天井が高くなっており、熱い空気が滞留しないようにもできています。たしかに、夏はいいのですが、でも冬になると、やはり室内が異常に寒く感じられるのは、このせいかな、ともおもいます。
第三に、平屋建てが多いのも夏の暑さと関係があると思います。我が家は2階建てですが、40度超えが続いた夏の日など、2階は完全にサウナ状態となり、寝れるような環境ではありません。ですから、昔からある大きな住宅は圧倒的に平屋が多いように感じます。
さらに、室内で特徴的なことといえば、フォーマルな応接室そして、ダイニングルームのある家が多いということです。昔はこうやって、応接室でお客様をお迎えし、ディナーパーティーなどよくひらいたのだろうとしのばれます。
現在では、家でご馳走を作って、フォーマルなダイニングルームでお客様を迎えるということはほとんど皆無、あるいは家族親戚一同が集うクリスマスのときくらいでしょうか。せっかく家に広い立派な部屋があるのに、あまり使われていないというのはなんともさみしい気がしますが、住宅のスタイルからその時代の人々のライフスタイルも窺えるというのは、興味深いものです。
注)今回の写真は、複数の家の写真をそれぞれ集めてみました。
ミセスリフォームスタイル
写真1:家の周囲にはベランダがはりめぐされ、床はタイル張りとなっています。家の外と内を分ける境界でもあります。
写真2:ドアから家の奥まで続く廊下も広くとられています。住宅の真ん中に廊下がはしり、家を左右対称に分けているのが、伝統的な間取りといえます。
写真3:お客様をお迎えするためのフォーマルな応接間。暖炉とソファーが
目を引きます。これとは別にリビングルームもあるので、普段はおそらくほとんど使われていないのではないかと、推測します。。
写真4:こちらがフォーマルなダイニングルーム。こんなに立派な食卓だと、料理も頑張らないとかえって不相応になってしまいます。。