英国、オーストラリア、ニュージーランド、それぞれのインテリア雑誌から見えてくること

海外のインテリア雑誌はおしゃれな部屋やカラフルなインテリアコーディネートがたくさん紹介されていて、見ているだけでも楽しいと思います。オーストラリアでは、英国やニュージーランドのインテリア雑誌も図書館や書店にあったりして、これらを見比べてみるのもまた興味深いものです。


圧倒的なボリューム量を誇るのはなんといっても英国の『HOMES & GARDENS』、伝統と歴史を誇る国なだけに、老舗専門店の広告もたくさん、インパクトがあります。壁紙、アンティーク家具、サンルームなどクオリティの高さが伝わってくるようなものばかりです。紹介されているお家も、クラシカルなものが多く、シャンデリア、壁紙、暖炉、キングサイズのベッドなど映画に出てくるようなため息の出るものばかりです。

写真1:英国の『HOMES & GARDENS』、エリザベス女王のモチーフなど”ザ・イギリス”感があります。



つぎにオーストラリアの『HOUSE & GARDEN』、こちらはうってかわってモダンで、全体的に明るいインテリアデザインが多くみられます。実際オーストラリアに住んでいる身としては、こちらのほうが参考になります。リビングがとにかく広く、オープンキッチンと一緒になっていたり、プールのある家もたくさん。プールといっても、泳ぐためというより住宅のランドスケープのひとつとして取り入れられている小型で、おしゃれなものがなかなか素敵です。ガーデンコーナーもオーストラリアの気候に適した植物を紹介しているので実用的。

写真2:真夏のクリスマスはこんな感じのデコレーションで。。

またリノベーション特集も多いのですが、ビフォーとアフターの間取り図が並べられて、ついつい細部まで見入ってしまったりします。



最後にニュージーランドの『NZ HOUSE & GARDEN』、おそらくオーストラリアのものの姉妹版のような扱いなのですが、ボリュームが少ないのがちょっと残念。でもセンスの良い写真が多く、風土のせいか素敵なカントリーハウスなどをよく見ることができます。その点、気候が温かく、ビーチハウス的な家が多く紹介されるオーストラリア版とはすこし趣きが変わって、また興味深いです。

同じ英語圏でもお国柄が出ているインテリア雑誌、それぞれ見比べてみるのも参考になります。

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一筋縄ではいかない!多彩なオーストラリアの家族像とは?

今回はオーストラリアの家族像について、お話ししてみたいと思います。世界中からの移民が多く、多民族国家といわれるオーストラリアでは、家族のカタチもほんとうにさまざま。そういったなかで暮らしていると、家族としてどうあるべきか、ということもいろいろ考えさせられます。


一番大きな違いとして気づくのは離婚カップルも多いのですが、離婚後も父親と母親がつねにコミュニケーションをとり、子育てを分担して行うというライフスタイル。これは“共同親権”と呼ばれるもので、先進国の多くがこの方式だといいます。日本は離婚すると、“単独親権”となり、父親あるいは母親のどちらかに親権が移り、親権を失った側は子どもと過ごす時間も圧倒的に減るか、皆無となってしまいます。以前のニュースで、日本では親権を失った親と子どもの面会が非常に困難で、面会する合意ができてもそのうち4割は実現しないままだという記事がありました。これは“共同親権”方式をとっているオーストラリアではちょっと信じられないことのような気がします。


オーストラリアでは、離婚後も子どもたちは平日は母親と過ごし、週末は父親と過ごす、あるいは2週間おきに、父親と母親のあいだを行き来する、といった“ルール”が作られ、親が離婚しても、交流が絶えることはめったにありません。私の夫(オーストラリア人)の両親も離婚していますが、父親が離婚して家を出た後も、週末や夏休み、クリスマスなどよく一緒に過ごしたりしていたそうです。

写真1:平日午前中の公園にお父さん、というのもよく見かける光景。“イクメン”が多いと感じます。


両親の離婚によって、寂しい思いをしないはずはないと思いますが、それでも“お父さん(あるいはお母さん)とまったく会えなくなる”という事態よりは子どもにとって望ましいような気がします。


また離婚も多いのですが、子連れ再婚も多いのがオーストラリア。継親、連れ子の関係は、それはそれでいろいろ難しいようです。先にもお話しした通り、以前の結婚での子どもたちとの関係も続いているので、“家族”の概念はどんどん広がってゆくことに。。。


そうした環境の中で育つのはなかなか過酷な気もしますが、精神的に成熟するのも早くなるという面もありそうです。家族という関係も刻々と変わる中で、自分の居場所をつくろうとするのも人間として成長するための大きなプロセスになるのではないでしょうか。



写真2:アデレードはもうクリスマスムードです!これはある企業主催の“クリスマスパーティー”の風景。日本でいう忘年会のかわりに、オーストラリアの会社ではクリスマスパーティーという名目で、こうした社員交流の場が設けられます。ちなみに傾いているのは、タイタニック号を模した巨大滑り台。ちょっとシュールな光景です。


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レトロさが魅力!オーストラリアの鉄道・航空博物館フェステバル

我が家の2歳半の息子は電車やトラックが大好き、そこで今回は家族で南オーストラリア州の港町ポート・アデレードにある鉄道・航空博物館フェスティバルに行ってきました。ポート・アデレードは19世紀の面影を色濃く残す港町、ふだんは物静かなエリアですが、フェスティバルのあった日は、子ども連れのファミリーで大賑わいでした。

写真1:ポート・アデレードの街並みはまるで映画のセットの中を歩いている気分に。。

まず鉄道博物館につくと、この日は航空博物館まで蒸気機関車が出ているとのこと。本物の蒸気機関車を目の当たりにして、息子のテンションは一気に上がります。。。

写真2:特別運行される蒸気機関車、実物ってかなり大きいです。

がったんごっとんと蒸気機関車に揺られること5分、短い時間ですが子どもたちには大人気。どうやらこの蒸気機関車を動かしているのはすべてボランティアの方々のようです。オーストラリアにもコアな鉄道ファンがいるものです。とはいえ、年配の男性ばかり目立っていましたが、、。でも蒸気機関車を動かすノウハウを伝えてゆくのもなかなか難しいのではないかと思います。


写真3:航空博物館ではホンモノの飛行機がずらり。壮観な眺めです。

航空博物館というからどんなに立派なものかと思ったら、草っぱらにたたずむ飛行機格納庫、建物自体はプレハブという簡素極まりないものでした。でも不定期で開館している施設だし、仕方がないのかもしれません。とはいえ、なかには古いモデルの実物飛行機がたくさんあり、なかなか壮観な眺め。普段滅多に見ることのできない飛行機たちを見ることができました。


そしてまた鉄道博物館に戻り、中をゆっくりと回ってみることに。じつはこれがかなり大規模なもので、大きな蒸気機関車たちがずらっと並んでいます。客車のなかも歩くことができ、まるでタイムスリップしたような気分に。。。

写真4:まるで古い時代の大きな鉄道ターミナルのなかを歩いているよう。本物の蒸気機関車は迫力がありました。


日本は世界に名だたる鉄道大国、きっと博物館では最新鋭の電車や新幹線が華やかな存在となることでしょう。ポート・アデレードの博物館はむしろ逆に、“過ぎ去りし時代”みたいなものをヒシヒシと感じました。でもそれがなんともアデレードらしい気がするフェスティバルでした。


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アデレードでは珍しい、エレガントな単身者向けアパートメント!

南オーストラリアのアデレードは今春から夏へ向けて気温がどんどん上がり始めている季節、時には30度近くなることもあり、真夏ももうすぐそこというところです。この時期は晴れている日も多く、お散歩をするにも絶好のシーズン。住宅街を歩けば、色とりどりのよく手入れされた家々のバラを鑑賞することもできて心も弾みます。


ところで今回はアデレードでは珍しい、エレガントな単身者向けアパートメントをご紹介したいと思います。イギリス風のステキな邸宅も多いアデレードですが、たいていは大きな一軒家、ひとり暮らし用のアパートというのは決して多くないし、あったとしても外観もレンガ造りの平屋といったシンプルなものが多いのです。ですがこの住宅はちょっと例外です。

写真1:「ここに住んでいるんだ」、なんて友だちに自慢できそうな外観。もちろん住んでいるのはあくまでこの一部なのですが。。。


建物自体はもともとは1864年に建てられた豪邸、現在では内部を改装し、10世帯が入居する“アパートメント”に生まれ変わっています。間取りはあくまで1ベッドルームで単身者向け、アデレードのアパートには単身者用でも2ベッドルームある部屋が多いことを考えると、やや狭いのかもしれません。でも仕事で普段ほとんど家にはいないというライフスタイルの人にはうってつけでしょう。

写真2:それでも本物の暖炉があるあたり、さすがオーストラリアです。


この住宅は市街北部にある、アデレードでも有数の人気住宅地。すぐ近くにカフェやレストラン、映画館のあるオシャレな通りもあり、独身生活を謳歌するにはうってつけな環境といえます。“若いときこんなアパートに住んでいたら、映画みたいな毎日だったろうな”なんて妄想をかきたてられるようなかわいいお家です。



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オーストラリアの住宅事情、各都市によってそれぞれ大きな個性が。。

広大なオーストラリアですが、住宅事情もそれぞれの都市に個性があり、一筋縄ではゆきません。今回はそんな各都市の個性について迫ってみたいと思います。私の住む南オーストラリア州の州都アデレードは都市とはいえそれほど大規模というわけでもなく(日本の姫路市姉妹都市提携をむすんでいます)、家族世帯として住むには程よい規模。市街地は徒歩で歩けるくらいのこじんまりしたものです。ときに“大いなる田舎町”と揶揄されることもありますが、家族でスローライフを営むのには適した都市と言われています。


写真1:生活コストもシドニーなどに比べ安く、ファミリーで住むには向いているアデレード。中心街でも高層ビルはまばらで“大いなる田舎町”と揶揄されることも。。


日本でも有名なシドニーメルボルンとなると、都市としての規模もずっと大きくなり、人口も集まりやすい分、住宅価格も跳ね上がります。特にシドニーは経済の中心都市として人気もあるので、住宅価格も高騰ぎみ。とくにランドマークとなっているシドニーハーバーやオペラハウスを眺められる高台にある住宅街は、オーストラリアでも恐らくもっとも高級な住宅街と言えるでしょう。セレブのような人たちがたくさん住んでいるエリアと言われています。

写真2:一番の繁華街にもこんな古い建物が残っているあたり、アデレードらしいです。



ところで意外なのが西オーストラリア州の州都パース。“世界で最も孤立した都市”とも言われるほど、遠隔地にある都市なのですが、こちらの住宅価格もびっくりするほどお高いのです。パースのある住宅街では、なんと7億円相当という金額の住宅がありました。それほどの“豪邸”というわけでもないのになぜなのでしょう?気になってそのエリアの他の住宅も調べてみたところ、それに匹敵するような住宅がたくさん。これはどうしても腑に落ちない、と気になってオーストラリア人の夫に聞いてみたところこんな答えが返ってきました。


西オーストラリア州は鉱業が非常に大きな産業になっており、それで裕福になった人たちがたくさんいる」


たしかにオーストラリアは自然資源が豊富で、鉱業が大いに盛ん。遠隔地の採掘場に期間限定で働きにゆく“出稼ぎ労働者”も多いと言います。こうした労働者のことを英語ではF.I.F.O.(Fly In, Fly Out:フライイン、フライアウト 飛行機で作業地まで往復することからこう名付けられたようです)と呼んでいますが、僻地手当ても含めてかなり報酬がよいようです。期間と職種にもよりますが、ある人は週で30万円ほど稼いでたという例もあります。


そういったいわば、“鉱業ブーム”に乗あった人たちが住宅価格を押し上げていることが背景にはあるのかもしれません。パースは他のオーストラリアの一都市に過ぎないとずっと思っていたのですが、なかなか意外でした。


ところでこうした実入りのいい“F.I.F.O.”ですが、僻地という特殊な環境での労働ということもあり、精神的にいきづまってしまう人もけっして珍しくないと言います。なにごともけっして美味しい話ばかりではない、ということを忘れないようにしたいものです。


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オーストラリア人の社交の場、居酒屋“パブ”はどんなふうに使われて

先月オーストラリアの食文化で欠かせない、居酒屋“パブ”のお話をしましたが、今回もうすこし詳しく取り上げてみたいと思います。オーストラリアのパブ文化はイギリス由来のもので、どんなに小さな町でもかならず1軒はあり、その町の社交の場となっています。


パブはバーエリア(お酒を飲むエリア)とビストロエリア(食事をするレストランエリア)に分かれていて、やはりなんといってもバーが社交の場の中心となります。お酒のメインはもちろんビール、南オーストラリアはワインの産地として有名ですがパブではやっぱりビールです。


バーテンダーさんにお好みのビールを注文すると、ビアサーバーから注いで出してくれます。バーカウンターにはイスがありますが、立ち飲みしている人もたくさん。ここは日本の居酒屋さんのようにテーブルについておつまみや食べ物も楽しみながら、、というのではなく、ひたすら“飲む”、そして人と“喋る”ことが目的なのです。みんな立って延々とおしゃべりしたり、大型テレビでスポーツ観戦に高じたり、とさまざまですがオーストラリア人はよく飲みます。

写真1:バーではオージービーフがお出迎え。。。


ちなみにグループで飲んでいる場合、各自でいちいち注文するのは野暮というもの、オーストラリアのスラングでは、おごることを“シャウト”するといい、誰かが“マイシャウト”(俺のおごり)と言って、全員分のビールをオーダーすることがあります。これを引け目に感じる必要はありません。次にだいたいみんなのビールが空になったら、今度は自分が“マイシャウト“と言って、みんなにおごれば良いのです。人数にもよりますが、これで全員一周すれば、みんな一様に負担したことになり公平を期すことができます。とはいえ、お酒に弱い夫いわく、「これが始まると、自分がシャウトするまで帰れない、、」という事態にも。。さすがに自分だけ「もういいです」と断ることもできず、付き合う羽目になる、、ということになるのです。どの国にも酒飲みの文化というものがありますね。


写真2:パブには歴史を感じさせる建物がそのまま残っていることもたくさん。


バーでもフライドポテトくらいあるところもありますが、基本的にオーストラリア人のみなさん、ビールだけで何時間も飲み続け、喋りつづけています。私もお酒に強い方ではないので、日本のように“いろんなものを美味しく、少しずつつまみながら、飲んで”というほうが合っているのですが、俄然お酒に強い方はオーストラリア流が向いていると思われます。


オーストラリアには州ごとにそれぞれの地ビールもたくさんあるので、もし旅行などで訪れた場合には、ぜひパブに立ち寄ってみてください!


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オーストラリアでも人気のエコハウスとは?

環境への負荷に配慮した“エコハウス”は、オーストラリアでも人気の住宅スタイルの一種です。今回はそんなオーストラリア版エコハウスの見本となるような素晴らしい住宅をご紹介したいと思います。

写真1:“エコハウス”の外観はどこか近未来的。

この住宅は数々の賞を受賞するなど、オーストラリアの住宅業界からも高い評価を受けています。外観はきわめてミニマリストで屋根はメタル素材、傾斜のある屋根は雨水を最大限に採集するための工夫です。ここオーストラリアは干ばつが多く、水不足が大問題なのです。

そこでこのようなかなり郊外にある家では、生活に使う水を自給自足できるかどうかが死活問題となってきます。雨水を庭にある大きなタンクに貯め、それを生活用水として利用しています。もちろん、生活排水の処理システムも備わっており、水回りはすべてこの住宅で完結したシステムとなっているのです。


写真2:“バスルーム”のコンセプトも日本と大分違います。


そして電気は屋根に設置されたソーラパネル分で賄います。オーストラリアは日差しも強く、余剰電力分は電力会社に買い取ってもらうという方式なので、一般家庭でもソーラパネルを設置するところが増えてきています。

オーストラリアはインフレの影響で、電気代も水道代もうなぎのぼりに上がっています。そのため、家計防衛としても“エコ”はとても重要なテーマになっていると感じます。

写真3:オーストラリアの草原にある“エコハウス”

何より私はこのオーストリアの草原になじむ、エコハウスのデザインが気に入っています。機能美を感じさせつつ、自然の風景にもよく溶け込むバランス感覚が活かされているような気がするのです。

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